よつば通信
静岡市の空き家解体に最大100万円の補助金|申請が殺到し8,000万円増額、今のうちに準備すべきこと
静岡市が、耐震性の不十分な空き家の解体費用を補助する「空き家建替え促進事業補助金」について、11月補正予算案で8,000万円の増額を計上しました。出前講座や相談会での周知の結果、申請件数が当初の見込み(80件)を大幅に上回ったためです。
つまり、静岡市内では「古い空き家を解体したい」という方が、それだけ増えているということ。この記事では、制度の対象や金額、申請の流れ、そして見落としやすい注意点を分かりやすく解説します。
**制度の概要**
– 制度名:空き家建替え促進事業補助金(令和8年度・9年度の期間限定)
– 補助額:空き家(母屋)の解体費用の2分の1以内、上限100万円
– 目的:利活用が困難な空き家の解体を促し、更地として土地が流通するようにすること
**対象になる空き家(すべてを満たす必要があります)**
– 静岡市内にあること
– 1年以上、居住または使用されていないこと
– 一戸建ての住宅であること(併用住宅の場合は、住宅以外の部分が延べ面積の2分の1未満)
– 耐震診断の結果、「倒壊のおそれがある」と判断されたもの
– 公共事業による移転・建替え等の補償の対象となっていないこと
耐震性の判断は、築年数ではなく診断結果で行います。木造の平屋・2階建てであれば、所有者ご自身で行う「誰でもできるわが家の耐震診断」で評点7点以下でも対象になり得ます(鉄骨造・RC造などは建築士等の診断が必要です)。なお、すでに耐震補強工事を実施済みの住宅は対象外です。
**申請できる人**
– 空き家の所有者(相続人を含みます)
– 静岡市に納めるべき税を滞納していないこと
法人の所有する空き家や、建物の所有者ではない方(敷地だけの所有者など)が解体する場合は対象になりません。
**対象になる費用・ならない費用**
対象になるのは「母屋部分」の解体(除却)費用です。見積書は、仮設工事・解体工事・分別・運搬・処分・諸経費の内訳が分かるものでなければならず、「解体工事費一式」という見積書では申請できません。
一方、次の費用は対象外です。
– 離れ、倉庫、カーポート等の解体費用
– 家財や残置物の処分代
– アスベスト(石綿)の調査費用
– ブロック塀等の工作物の撤去費用、植木の伐根や草刈りの費用
– 耐震診断に要した費用
解体費用の見積を取るときは、母屋分とそれ以外を分けて出してもらうことが大切です。
**工事の条件**
– 敷地内にある建築物・立木・生垣等のすべてを除却し、更地にすること(一部を残す場合は補助を受けられません)
– 解体工事業の建設業許可を受けた業者、または解体工事業の登録がある業者に依頼すること
**解体後の固定資産税が軽くなる仕組みも**
家を取り壊すと、土地の固定資産税が上がる(住宅用地特例が外れる)ことを心配される方が多いのですが、この補助金の交付を受けて解体した場合は、解体前の税額とおおむね同様の負担になるよう、固定資産税(都市計画税を含む)が最大2年度分軽減される制度があります。軽減を受けるには別途申請が必要です。
ただし、売却などで所有権が移転した場合は、その翌年度以降は軽減の対象から外れます。「解体してから売るか、建物ごと売るか」で税金の扱いが変わってくるため、順番の検討が重要です。
**申請の流れとスケジュール**
1. 市へ申請書類を提出(原則オンライン、窓口は住宅政策課空き家対策係)
2. 交付決定の通知を受けてから工事に着手
3. 工事の途中で市の職員による現地確認
4. 工事完了後、実績報告書を提出
5. 金額確定の通知後、10日以内に請求書を提出し、補助金が振り込まれます(請求からおおむね2か月後)
**ここが最大の注意点です。申請は必ず工事に着手する前でなければならず、交付決定前に着工した場合は補助の対象外になります。**「先に解体してしまった」というケースでは、後から申請しても受けられません。
令和8年度については、当初予算分はすでに終了しています。補正予算の議決後、12月中旬を目途に今後の受付について案内される予定で、工事に着手できるのは交付決定後(12月中旬頃)となる見込みです。また、令和8年度分は工事を完了し、必要書類を令和9年1月31日までに提出する必要があり、2月1日以降に工事が完了する場合は申請できません。書類の事前確認は行われているので、申請を考えている方は、受付案内を待つのではなく、今のうちに見積書や耐震診断の結果などの書類を準備しておくことをおすすめします。急がない場合は、令和9年4月から実施予定の来年度分を狙う方法もあります。
**相続した空き家をお持ちの方へ**
相続登記がまだ済んでいなくても、相続関係が分かる書類を添付することで申請できる場合があります。共有者や他の相続人がいる場合は、それぞれの同意書が必要です。
また、解体して更地にしてから土地を売却すると、相続した空き家の譲渡所得3,000万円特別控除が使えない場合があります。補助金・固定資産税・売却時の税金は、それぞれ順番次第で有利・不利が変わります。
よつば綜合事務所では、行政書士と宅地建物取引業の両方の立場から、相続手続きの整理、補助金申請に向けた書類の準備、解体後の土地の売却までを一括してご相談いただけます。「解体すべきか、建物ごと売るべきか」という段階からのご相談も歓迎です。
**お問い合わせ**
よつば綜合事務所
〒422-8066 静岡市駿河区泉町3番19号 よつばビル2階
TEL 054-260-4593(受付9:00〜17:00)
制度の詳細・最新の受付状況は静岡市住宅政策課 空き家対策係(054-221-1192)でも確認できます。
※この記事は2026年11月時点の静岡市公式情報に基づいています。補正予算および令和9年度の事業は、予算の成立状況等により変更となる場合があります。

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