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空き家の相続

空き家とは?空き家問題の現状

深刻化する空き家の増加問題は、どこにその要因があるのでしょうか。
その定義やデータなどの現状を踏まえ、問題の核心部分を紹介します。

近年、増え続けている空き家の定義と深刻な現状

昨今のニュースなどにおいて、我が国の「空き家問題が深刻化している」という話題に触れられることがあります。

空き家の判定基準として、国が定めた基本指針があります。

2015年に施行された「空き家対策特別措置法」で、空き家とは「建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地」と定義づけられています。

「使用がなされていないことが常態」という点に関しては、およそ1年間使用されていないことが目安とされています。つまり、誰も住まなくなってから1年以上経過した建物が、法律上の空き家とされることになります。

「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省)によって、全国のすべての住宅(約6063万戸)のうち13.5%、実に820万戸を空き家が占めると公表されました。この数字は、平成20年に比べて比率で8.3%、戸数にして63万戸も上昇しており、空き家問題の深刻化を浮き彫りにしています。

空き家を放置することによって、どのような問題が生じるのか

空き家の増加によって露見する問題点は、以下のような点が挙げられます。
そのまま放置することで、建物は徐々に傷んでいき、倒壊の危険性が生じます。

特に現在の耐震基準を満たさない(昭和55年以前の建築)ような古い建物は、災害時などに倒壊してしまう可能性が高く、周辺住民の避難や救出などの大きな妨げとなってしまいます。

また全体に倒壊しないまでも、部分的に劣化してしまうことで屋根や外壁の飛散が起きるなどして、周辺に危険な状態を引き起こしかねません。事実、国土交通省「平成26年空家実態調査」によれば、空き家になっていると推測される建物のうち、実に6割近い住居で腐朽・破損が認められているのです。

また、防犯上の危険性も指摘されます。空き家へ不法侵入されることによって犯罪の温床となったり、建物自体に放火されるなどの危険性も高まります。

このほか、害虫・害獣の侵入、ゴミの不法投棄などによる衛生上の有害化、適切な管理が行われていないことで著しく景観を損なうなど、空き家はその存在自体で大きな問題を抱えることになってしまいます。

上記の観点から、空き家の中でも周辺環境の保全にとって不適切であると総合的に判断された空き家は「特定空き家」と定義され、その所有者が市町村からの指導・勧告・命令を受けることになります。場合によっては50万円以下の罰金が課せられたり、行政代執行による取り壊しが行われることもあります。

住居の相続によって、空き家が生じてしまうメカニズム

価値総合研究所のアンケートデータによれば、空き家所有者の7割以上が、住居の売却や賃貸などの検討をせずに放置し、さらに12%もの所有者がその管理すら怠っているとされています。

住居の空き家化は、相続の問題と密接に関係していることも伺えます。現時点で人の住んでいない住居(=空き家)を所有した人への調査(国土交通省「平成26年空家実態調査」)によれば、その住居の取得経緯の過半数が「相続による」ものとされています。

住居が空き家へと変貌する、最もわかりやすい要因は、住民がいなくなることです。大きなくくりでいえば、空き家の増加は人口の減少(特に地方部)によるものが大きいとされています。

自分名義で所有している戸建て住宅の独居者(=被相続人となる)が亡くなると、住居自体は相続人に相続されるものの、必然的にその家に住む人はいなくなり、空き家化します。

また、亡くならないまでも、居住者の生活環境が変わることによって、住居は空き家化してしまいます。特に地方部の高齢者の数が減っている背景には、都市部でのみ雇用が増加して人口が集中し、介護施設や子どもの家に移り住むなどの行為が増え、住居をそのまま空き家として放置してしまうという要因があります。

都市部においても問題となっている空き家対策は、喫緊の課題

一方で、都市部においても空き家は増加傾向にあります。

東名阪の三大都市圏および神奈川県における空き家の数の合計は約240万戸(平成25年住宅・土地統計調査)であり、すべての空き家戸数のうち、およそ3割を占めることになります。

これは、供給される住居戸数が総世帯数を上回っており、いわゆる「住宅余り」の状態であることに端を発しています。また、少なくない費用が生じる・税制上の軽減措置が適用されない(住宅のない更地の状態では、固定資産税が上乗せされてしまう)などの理由で、相続された住居が解体されないという点も、空き家増加に拍車をかけていると推測されています。

今後、我が国の世帯数はさらに減少するという推計があり、空き家はますます増加していくと推測されています。政府ならびに各地方自治体においては、各種法令や制令によって、空き家の処分(売却)や改修などを行いやすくするなど、その対策を急いでいるのが現状なのです。

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