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遺産分割協議

遺産相続で兄弟で争わないためにやっておくべきこと

遺産相続には、とかくトラブルがつきものであり、それは兄弟姉妹間であっても同様に起こりえることです。
このような争いごとが起きる前に、あらかじめ講じておくべき点を整理しておきましょう。

本来は、兄弟姉妹間でも公平に相続割合が決められている

遺産相続という言葉には、常に「トラブル」といった負のイメージがつきまといがちです。映画やドラマなどの影響も大きいでしょうが、実際の遺産相続の場面でも多くのトラブルが起きているのは事実です。

遺産相続のトラブルの素となるのは、他の相続人と自分の相続額を比べたときに生じる不公平感です。その感覚が生じるには、さまざまな事情が考えられます。

では、まず「公平」であることを前提とした、法律による遺産相続の割合を確認しておきましょう。
相続には、続柄によって優先順位が決められています。被相続人(財産を持って亡くなった人)の配偶者は常に相続の権利を持ち、他に相続人がいなければ全額を相続することになります。

次の相続順位は、被相続人の子ども(=直系卑属。養子・非嫡出子・胎児も含む)であり、配偶者+子どもが残されていれば、それぞれ1/2ずつの相続の権利を持ちます。子どもがいない場合は被相続人の父母(=直系尊属。父母が死亡している場合は祖父母)も相続人となり、配偶者と父母はそれぞれ2/3、1/3ずつの権利となります。

さらに父母もいない場合は被相続人の兄弟姉妹が相続人となり、配偶者と兄弟姉妹がそれぞれ3/4、1/4の権利となります。ここまでが、法的に公平な相続の権利を持つ「法定相続人」と呼ばれる範囲です。

考え方の違いや感情面の差異によって、兄弟間のもめ事が生じやすい

実際の相続において不公平感からトラブルを生じやすいのが、被相続人の子どもが複数いる、つまり兄弟姉妹がいるケースです。

上記の通り、被相続人の子ども達は全体の1/2の相続の権利を持ち、兄弟姉妹であればその金額を均等割するのが法律的な決めごとです。

しかし、相続すべき財産は、必ずしも分割しやすいものとは限りません。例えば不動産などは、単純な分割が難しい財産の代表的なものです。

兄弟2人が相続を受ける状態を例として考えると、家や土地を半分に割ってそれぞれが住むというのは現実的ではありません。兄弟姉妹の人数が増えるほど、話は複雑になります。

この場合、「家と土地をどのように扱うか」に対して兄弟間で意見の相違があれば、さらに大きなトラブルの要因となってしまいます。

また、感情的な面で不公平感を感じ、トラブルが発生することもあります。子どものうち、誰か一人が最後まで被相続人と同居(介護や看取りなども含む)したとするならば、他の兄弟姉妹に比べて多くの金額を受け取りたいというのが、一般的な感情として考えられます。

しかし、他の兄弟姉妹にも同等の権利がある以上は、そう簡単に割り切れないというのも実際のところでしょう。

相続でもめないためには、話し合いと遺言書の作成が何よりも重要

亡くなった後に、自分の残した財産で子ども達がもめてしまうのは、被相続人としては決して本意ではないはずです。
被相続人の子ども=兄弟姉妹同士での相続トラブルを避けるためには、何よりもまず、被相続人が存命の間によく話し合いをしておくことが先決となります。

相続がはじまるということは、すなわち被相続人が亡くなるということですから、なかなか言い出しにくいという側面もあるでしょうが、それぞれの言い分や遺産(特に不動産)に対する考え方をきっちり整理しておくことが、トラブル回避に向けた何よりの近道となります。

この話し合いの内容には、被相続人の財産増加にどれほど尽力したか、もしくは介護などに際してどれほどの労力を払ったのかという、「寄与分」の加味も忘れてはいけません。寄与分への配慮は、法律でも認められている制度です。

さらに重要なのが、こうした話し合いの内容を盛り込んで、被相続人が遺言書を作成しておくことです。法的に有効な遺言書は、強い拘束力を持つ上、被相続人の意思を明確に反映させることもできます。

分割しにくい不動産を上手に分割するための方法

兄弟間の話し合いをもってしても、不動産の相続に関しては全員が納得する形になりにくいとされます。上述したように、家や土地が非常に分割しづらい財産であることに由来します。

不動産を分割して相続するには、いくつかの方法が考えられます。最もシンプルなのが、一人が不動産を相続して、ほかの相続人はその他の財産(預貯金や有価証券など)をそれぞれ相続する、という「現物分割」という方法です。

これと似た方法なのが、一人が(不動産を含む)すべての遺産を相続する代わりに、他方に相応の金銭を支払うという「代償分割」という方法です。ほかには、不動産を売却・換金して金銭を分割する「換価分割」、家や土地を複数人の名義で所有する「共有分割」などの方法があり、条件(不動産が複数あるなど)によって組み合わせることも可能です。

いずれの方法を採るにせよ、被相続人の意思をくみ、必要に応じて弁護士などの第三者を交えた上で、早めに兄弟姉妹間でのコンセンサスをまとめておくことが肝要です。

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